ゴミを荒らしたり、農作物に被害を与えたり、カラス被害に悩まされている人が多いです。
カラスは知能が高く、対策があまり効かず厄介だと感じている人も多いでしょう。
そんな無敵にも見えるカラスの天敵はいないのでしょうか?
「カラスをこらしめたい!」
「カラスを怖がらせて追い払いたい!」
そんな場合に、カラスの天敵を知っておくのはカラス対策で役立ちます。
カラスの天敵、カラスの苦手なものは6つほどあります。すべて紹介します。
目次
一番の天敵はオオタカ
植物は草食動物に食べられ、草食動物は肉食動物に食べられます。
この関係を「食物連鎖」と言いますが、オオタカは食物連鎖の頂点にいます。
そのため、オオタカはカラスを捕食(つかまえて食べること)します。
オオタカが本気で向かってきたらカラスは勝てません。
そのため、オオタカが近づいてくると、カラスは集団で威嚇して追い払おうとします。
でも、たいていの場合、オオタカはカラスに取り合わず、他の動物を取りに行ってしまいます。
フクロウ
フクロウは夜に活動する性質のある「夜行性」の動物です。
一方、カラスは昼に活動する動物なので、夜になると周りがあまり見えなくなります。
夜になると周りへの警戒がしにくくなるため、フクロウに捕食(つかまえて食べること)されてしまうことがあります。
反対に、昼間はフクロウに対して集団で攻撃しようとします。
ヨーロッパでは、この習性を利用して、フクロウの模型をおとりにして、集まったカラスを銃で撃つ狩猟が行われています。
これによって、「フクロウの模型を置いておくとカラスが逃げる」と間違ったイメージが擦り込まれ、フクロウの模型がカラス撃退グッズとして日本では出回っています。
実際に、模型を置くと、2~3日はカラスが来なくなります。これはカラスは記憶力が高いため、「昨日まで無かったものがある」と認識し、警戒して近づかなくなるためです。しかし、学習能力も非常に高いので数日もすれば「あれはずっと動かない。安全だ。」と学習し、今まで通り近づいて来ます。
つまり、フクロウの模型自体に特別な効果があるわけではなく、ただ単に見慣れない物への警戒で2~3日は寄ってこないだけです。
トビ
カラスとトビは両方とも雑食性で何でも食べます。
そのため、エサ場が重なり、よく食べ物を取り合ってケンカになることがあります。
トビはカラスを捕食(つかまえて食べること)しないので、オオタカに比べると弱い天敵と言えますが、カラスよりも体が大きいので、カラスにとっては邪魔な存在です。
カラスが集団で飛びに攻撃することもあります。
ヘビは?
カラス対策グッズにヘビの模型も売られています。(カラス対策グッズには実にいろいろなものが出回っています)
そのため、カラスはヘビが苦手と思われているようですが、そんなことはありません。
カラスはヘビをそこまで恐れません。
むしろ、カラスがヘビを捕まえて食べている所を何度か見かけたことがあります。
羽に当たるもの
カラスは羽に当たるものを極度に恐れます。
カラスにとって、羽が傷つくことは「死」を意味するためです。
つまり、「羽に当たるもの」、「羽を痛めるもの」も天敵と言えるでしょう。
その習性を利用して、カラスなどの鳥害対策には定番で、『防鳥テグス』という細い釣り糸のような糸が使われます。
畑やベランダに張ったテグスに羽が触れた時のカラスの慌てようはまさに死にものぐるいです。
防鳥テグス 500m 485円
学習能力の高いカラスは一度危険な目に遭うと、その場所には近寄りません。
テグスは、家庭菜園や畑、ベランダや屋根などのカラス対策にとても効果的です。こちらの記事で使い方を詳しく説明しているので参考にしてください。
スズメバチ
スズメバチがカラスの天敵だという話もあります。これは実際に見たわけでも実証したわけでもありませんので、定かではありません。参考程度に読んでください。
オオスズメバチは、巣から約10メートル以内が縄張りで、近づく生き物に対してアゴをカチカチと鳴らして威嚇し、なおも近づくものがあれば集団で毒針で襲います。
特に黒いものには激しく攻撃する習性があり、オオスズメバチはカラスの天敵だという説があります。
ハチが果実に群がっているときは、カラスは食べに来ないと言う農家の方もいます。
刺激物質が苦手
これは天敵とはちょっと違う観点ですが、カラス博士と呼ばれている宇都宮大学農学部教授の杉田昭栄さんの著書に非常におもしろい実験結果が載っていたのでご紹介します。
カラスは匂いには鈍感なので、味覚で攻めてみる手はあるはず!ということで、刺激物を食べさせてみたそうです。
そこで、
- ・辛味のもとのカプサイシン
- ・酢のもとの氷酢酸
- ・苦味のもとのキニーネ
を生ゴミに混ぜたところ、これが大正解で、ガクンと食べる量を減らしたそうです。
このように精製した純粋物なら刺激が鋭いので、口腔が広く、粘膜面積の広いカラスには大きな刺激が与えられるわけです。
ちなみに辛味は一般的に味覚と考えられていますが、実は辛味は痛覚です。そのため、あまり慣れも生じないということ。唐辛子でもいいかもしれません。
天敵とまではいきませんが、刺激物もカラス対策に覚えておくと役立つかもしれません!
究極の天敵は人間
究極を言うと、カラスの一番の天敵は人間です。
どんなに美味しいエサがあっても人がいれば近寄りません。
目が合うと攻撃どころか逃げていくくらいです。
まとめ
カラスのもっとも恐れる天敵は、
- ・人間
- ・オオタカ(カラスを食べる)
です。次に、恐れるのは、
- ・フクロウ(カラスを食べる)
- ・トビ(カラスを食べないので、他よりは弱い)
です。ヘビは怖がりません。
また、天敵とは観点が少し違いますが、カラスにとって羽が傷つくことは「死」を意味するので、「羽を傷つけるもの」も人間やオオタカと同じくらいの天敵と言えます。防鳥テグスなどがそれに当たります。
スズメバチに関しては、実験しておらず、定かではありません。
カラス被害に困っている人は、こちらの関連記事もご覧ください。
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